
最終更新: 2026年9月2日
この記事で分かること
横浜国立大学の横浜ビジネススクール(YBS)は、出願のときに「演習A」「演習B」のどちらかを選び、選んだほうの小論文を受ける大学院です。演習のテーマは大学が毎年設定し、入学したあとに変えることはできません。つまりこの選択が、試験の中身も2年間の研究テーマも決めます。
正式には横浜国立大学大学院 国際社会科学府 経営学専攻 博士課程前期 社会人専修コースといいます。通称が横浜ビジネススクール(YBS)で、取れる学位は経営学修士(MBA)です。
大学は毎年、プロジェクト演習のテーマを2つ用意します。志願者はどちらか一方を選んで出願し、選抜も演習ごとに別々に行われます。小論文も、演習Aと演習Bで別の問題です。
| 2027年度入学 | 演習テーマ |
|---|---|
| 演習A | サステナブルなビジネスモデルの構築に向けて:AIとアカウンティングの視点から |
| 演習B | イノベーション経営を実現する人材育成と組織戦略 |
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出典: 横浜国立大学2027年度 国際社会科学府 学生募集要項(社会人専修コース)(2026年9月2日確認)
🔴 テーマは年度ごとに変わります。大学が公開している2026年度入学の試験問題では、演習Bのテーマは「次世代テクノロジーとビジネス戦略」でした。2027年度の演習Bは「イノベーション経営を実現する人材育成と組織戦略」です。前年のテーマで準備しても、その中身は当たりません。
2026年度入学の演習Bのテーマは、大学が公開した出題の意図(演習B)に明記されています(2026年9月2日確認)
選ぶときに見るのは、テーマの言葉そのものです。いまの仕事と地続きなのはどちらか。2年間その題材を扱い続けられるか。研究計画書もそのテーマとの関わりを書かせるので、ここを間違えると、出願書類から面接まで全部が苦しくなります。
| 内容 | |
|---|---|
| 第1次選抜 | 小論文と出願書類の内容を総合して判定 |
| 第2次選抜 | 第1次を通った方に口述試験。研究計画書などが中心 |
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出典: 2027年度 学生募集要項(2026年9月2日確認)。選抜は演習ごとに行われます。検定料は30,000円です。
英語の筆記試験はありません。TOEIC・TOEFL・IELTSなどのスコア提出も求められません。募集要項の出願資格・提出書類・試験科目のどこにも、英語のスコアを使うという記載がありません。英語のスコアがないことを理由に受験をあきらめる必要はありません。
出願に必要なのは3年以上の実務経験です。大学を卒業していることが前提ですが、それ以外の学歴の方には個別の入学資格審査があります。この審査は出願より1か月以上前に締め切られるので、当てはまる方は日程に気をつけてください。
| 日付 | |
|---|---|
| 入学資格審査の申請 (該当する方のみ) | 2026年9月15日〜9月17日 |
| Web出願 | 2026年10月20日〜10月26日 |
| 出願書類の提出 | 2026年10月28日(消印有効) |
| 小論文 | 2026年11月14日 10:00〜11:30 |
| 第1次の発表 | 2026年11月19日 15時頃 |
| 口述試験 | 2026年11月28日 |
| 最終合格発表 | 2026年12月18日 15時頃 |
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出典: 2027年度 学生募集要項(2026年9月2日確認)。口述試験の時間は、第1次の合格発表と同じ日に本人へ電子メールで連絡されます。合格発表はコースのウェブサイトに掲載され、電話での問い合わせはできません。
大学のサイトに、直近3年度分の小論文が演習A・演習Bそれぞれ載っています。2026年度入学の回だけは「出題の意図」も一緒に公開されています。それより古い年度は掲載されておらず、大学の窓口でしか見られません(身分証明書を持参して、休業期間を除く平日に社会科学系事務部の窓口へ)。
一覧は経営学専攻「過去の試験問題」にあります(2026年9月2日確認)
3年度分の演習A・演習B、合わせて6回分を実際に開いて確かめました。共通しているのは次の3点です。
軸になるのは、経営学の教科書に載っている概念1つです。公開されている回では、業界の構造と経営資源、両利きの経営、目に見えない経営資源、カニバリゼーション(同じ会社の商品同士が売上を食い合うこと)、相関と因果の取り違えなどが扱われていました。
ここは思い込みやすいところです。2026年度入学の演習Aは、相関があるだけで原因だと決めつけていないかを問う問題でしたが、2025年度入学の演習Aは「両利きの経営」という概念の問題でした。演習の記号ではなく、その年のテーマで中身が決まります。
大学が公開している出題の意図も、そのことを裏づけています。2026年度入学の演習Bについて、大学はこう書いています。
演習テーマである「次世代テクノロジーとビジネス戦略」にあっては、次世代テクノロジーを企業が採用しようとする際に高い確率で起こるのが「カニバリゼーション」である。(中略)これについての基本的知識を問うとともに、論理的な説明力を見るための出題となっている。
出典: 横浜国立大学2026年度入学 出題の意図(演習B)(2026年9月2日確認)
テーマから、そこで高い確率で起きる現象を1つ選んで出題している。これが読み取れれば、対策の道筋は決まります。自分が出願する演習のテーマを読み、そのテーマで中心になる経営学の概念を、定義できて、実例を挙げられる状態にしておくことです。
もう一方の演習Aについても、大学は「相関関係と因果関係の違いを理解し、論理的に考察する力を評価する」「仮説を検証するために必要なデータと分析方法を論理的に設計できるかを問う」と意図を公開しています。何を測っているかが、これだけはっきり書かれている大学院は多くありません。
出典: 横浜国立大学2026年度入学 出題の意図(演習A)(2026年9月2日確認)
| 入学年度 | 受験 | 合格 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 43 | 18 | 2.39 |
| 2026年度 | 59 | 19 | 3.11 |
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出典: 横浜国立大学「大学院入学者選抜実施状況一覧」2025年度分/2026年度分(2026年9月2日確認)。経営学専攻のなかの社会人専修コースの内数です。倍率は大学が公表しておらず、受験者数を合格者数で割った参考値です。2023年度・2024年度分は、この一覧に社会人専修コースの内訳行が無く、公表されていません。
読み取れることが3つあります。
2年分しか公表されていないので、これで「難化が続く」と決めるのは早すぎます。ただ「国立で学費が安く、英語も要らない」という条件は探されやすいので、受けると決めたなら、早く動くほうが安全です。
| 書類 | 字数 | 書くこと |
|---|---|---|
| 研究計画書 | 2,400字 以内 | 2年間でどんな研究をしたいか。これまでの業務経験・講義・演習との関わりを交えて |
| 職務活動等 報告書 | 1,200字 以内 | 担当してきた主な業務を具体的に。期間・部署・担当の形で |
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出典: 2027年度 学生募集要項(2026年9月2日確認)。どちらもWeb出願システムで作成し、印刷して提出します。入学願書には、職歴の合計が3年以上と分かるように記載する欄があります。
研究計画書で気をつけたいのは、「志望する演習との関わり」を書かせる点です。自分がやりたいことを書くだけでは足りず、選んだ演習のテーマと、自分の業務経験と、やりたい研究の3つがつながっている必要があります。
口述試験は、この研究計画書が中心です。書いたことは全部聞かれると思ってください。2,400字は、話しながら深掘りされるには十分な分量です。書けないことは書かないほうが安全です。
| いつ | どこで | 時間 |
|---|---|---|
| 平日の夜 | オンライン | 18:50〜21:00 |
| 土曜 | 常盤台キャンパス (横浜市保土ケ谷区) | 9:50〜18:00 |
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出典: 横浜国立大学横浜ビジネススクールのコース紹介(2026年9月3日確認)
🔴 土曜に必修科目があるため、平日夜のオンラインだけで修了することはできません。演習科目(ワークショップ演習・プロジェクト演習Ⅰ〜Ⅲ)の12単位が必修で、履修細目に「演習科目は全て土曜日3限」と明記されています。3限は15時20分〜18時00分です。遠方にお住まいの方や、土曜に予定が入りやすいお仕事の方は、出願を決める前にここを確認してください。
出典: 横浜国立大学社会人専修コース履修細目(2026年9月3日確認)。修了に必要な32単位は講義20単位以上+演習12単位(必修)で、授業時間帯は平日18時50分〜21時00分、土曜9時50分〜18時00分(1〜3限)と記載されています。
入学試験も常盤台キャンパスで行われます。小論文も口述試験も、横浜まで行くことになります。
6回分で軸になっていた概念を、教科書のどこを読めば押さえられるかに置き換えました。ページ番号は印刷されているページです。
ケースに学ぶ経営学(東北大学経営学グループ/有斐閣)競争優位と差別化p.106〜108見えざる資産p.243〜246カニバリゼーションp.273
世界標準の経営理論(入山章栄/ダイヤモンド社)両利きの経営p.242持続的な競争優位p.63〜73お手元の本の版によってページがずれることがあります。目次と索引でもご確認ください。
ただし本で押さえるのは「形」までです。中身を決めるのは、その年の演習テーマです。募集要項でテーマを確認してから、そのテーマで中心になる概念を選んで読んでください。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 282,000円 |
| 授業料 | 年額535,800円 (半期267,900円) |
| 2年間の合計 | 1,353,600円 |
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出典: 2027年度 学生募集要項(2026年9月2日確認)。検定料30,000円は別に必要です(この合計には含みません)。入学金・授業料はいずれも要項に「現行」と注記があり、在学中に改定されれば新しい金額が適用されます。
この課程は専門実践教育訓練給付金の指定講座です。厚生労働省の検索システムで確認すると、登録されている訓練経費は1,353,600円で、上の合計とぴったり同じでした。
出典: 厚生労働省厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム(「横浜国立大学」で検索)、大学側の説明は横浜ビジネススクールの案内(2026年9月2日確認)。制度そのものの説明は厚生労働省教育訓練給付制度にあります。
これは小さくない話です。大学が公表する学費と、給付の計算に使われる金額がずれている大学院もあります。ここは一致しているので、「学費のうち給付の対象にならない費目」を心配せずに済みます。
専門実践教育訓練は受講費用の50%が基本で、年間の上限が40万円です。修了後の条件を満たすと上乗せがあります。ただし入学金は1年目にまとめて払うため、年ごとの支払い額によって上限の当たり方が変わります。実際に受け取れる額は、ハローワークでご確認ください。
給付を受けられるかどうかは、雇用保険の被保険者期間などの要件で決まります。手続きはハローワークで行います。ご自身が対象になるかは必ずハローワークでご確認ください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 最初に | 募集要項で、その年の演習テーマを2つとも読む。入学後の変更はできません |
| 決めたらすぐ | 公開されている過去3年分をダウンロードする。古い回は窓口でしか見られません |
| 9月中旬 | ★ 入学資格審査の申請(該当する方)。出願より1か月以上前に締め切られます |
| 3か月前〜 | 研究計画書2,400字。選んだ演習のテーマ・自分の業務・やりたい研究の3つをつなげる |
| 同じころ | テーマの中心になる概念を、定義と実例で言えるようにする |
| 10月20日〜 | Web出願。書類の提出は10月28日消印有効です |
| 口述試験の前 | 研究計画書に書いたことを、全部説明できるようにする |
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日程は2027年度 学生募集要項の4月入学によります(2026年9月2日確認)
Q. 演習Aと演習Bは、あとから変えられますか。
A. 変えられません。出願のときにどちらかを選び、選抜も演習ごとに行われます。入学後の変更もできないと募集要項に書かれています。テーマは大学が毎年設定するので、必ずその年の募集要項で確認してください。
Q. 英語の試験はありますか。
A. ありません。TOEIC・TOEFL・IELTSなどのスコア提出も求められません。募集要項の出願資格・提出書類・試験科目のどこにも、英語のスコアを使うという記載がありません。筆記は小論文だけです。
Q. 過去の入試問題は見られますか。
A. 大学のサイトで直近3年度分が、演習A・演習Bそれぞれ公開されています。2026年度入学の回だけは出題の意図も一緒に載っています。それより古い年度は掲載されておらず、身分証明書を持って大学の窓口で閲覧する形になります。
Q. 小論文はどんな形式ですか。
A. 90分で、問いは2〜3つです。解答は日本語で書きます。長い課題文はなく、数行の場面設定か用語の短い説明が置かれるだけです。経営学の概念を1つ軸にして書かせる形で、6回のうち4回は「あなたの考え」や「自身の経験」を求める問いが入っていました。
Q. 働きながら通えますか。
A. 平日の夜(18時50分〜21時)はオンライン、土曜(9時50分〜18時)は常盤台キャンパスで対面です。ただし必修の演習12単位は全て土曜3限(15時20分〜18時00分)に開かれると履修細目に明記されているため、オンラインだけでは修了できません。土曜に横浜へ通えるかどうかが、出願前に確認すべき点です。
Q. 学費はいくらですか。
A. 入学金282,000円と授業料年額535,800円で、2年間の合計は1,353,600円です。検定料30,000円は別に必要です。いずれも募集要項に「現行」と注記があり、在学中の改定があれば新しい金額になります。
Q. 教育訓練給付は使えますか。
A. 専門実践教育訓練給付金の指定講座です。厚生労働省の検索システムに登録されている訓練経費は1,353,600円で、大学が公表する2年間の学費と一致します。受け取れる額は年ごとの支払い額によって変わるので、ハローワークでご確認ください。
Q. 実務経験は何年必要ですか。
A. 入学までに3年以上の実務経験が必要です。大学を卒業していることが前提ですが、それ以外の学歴の方には個別の入学資格審査があります。この審査の申請は出願より1か月以上前に締め切られるので、日程にご注意ください。
MBAサクセスコーチングの合格実績は合格者速報で公開しています。

この記事について
この記事は、国内MBA対策に特化した予備校・塾のMBAサクセスコーチングが作成しています。同サービスは、経営学者の中川功一氏(やさしいビジネススクール学長/東京大学 経済学博士)が監修しています。
専門は経営戦略論・イノベーションマネジメント、国際経営。「アカデミーの力を社会に」をライフワークに、YouTube・研修・講演・著作などを通じて経営知識の普及に取り組んでいます。
記事の数字は、大学が公表している資料をもとに、出典と確認日を付けて記載しています。