
最終更新: 2026年9月2日
この記事で分かること
一橋大学のMBAを「一つの入試」だと思って調べ始めると、途中で必ず混乱します。同じ経営学修士コースの中に、通う場所も、出願資格も、倍率も違う2つのプログラムがあるからです。
2026年度の志願倍率は、昼間の経営分析プログラムが2.2倍、夜間の経営管理プログラムが6.1倍でした。3倍近い差があります。そして夜間のほうには「実務経験3年以上」という条件があり、昼間の一般選考にはありません。つまりあなたが働き続けるつもりかどうかで、受ける試験がほぼ自動的に決まります。
この記事は、大学が公表している2027年度入学の募集要項と合格実績、そして大学自身が公開している過去の小論文の問題冊子をもとに、どちらを受けるのか、何を準備するのかを順に決められるように整理したものです。
経営学修士(MBA)にあたるのは、経営管理研究科 経営管理専攻 修士課程 経営学修士コースです。その中に2つのプログラムがあります。
| 経営分析 | 経営管理 | |
|---|---|---|
| 時間帯 | 昼間 | 夜間主 平日夜と土曜 |
| 場所 | 国立 | 千代田 |
| 年限 | 2年 | 2年 |
| 募集 | 40名 | 63名 |
| 実務経験 | 不要 | 3年以上 |
| 英語 | 必須 | 任意 |
| 筆記 | 小論文か 数学 90分 | 小論文 90分 |
| 第2次 | 書類と 口述20分 | 口述20分 |
| 出願 | 7月上旬 年1回 | 9月下旬と 1月上旬 年2回 |
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出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」経営分析プログラム/経営管理プログラム(2026年9月2日確認)。表の「経営分析」は経営分析プログラム、「経営管理」は経営管理プログラムです。経営分析プログラムで実務経験が要らないのは一般選考の場合で、経営管理プログラムは出願期間の開始日に3年以上が要ります。英語のスコアは、経営管理プログラムでは必須ではなく任意で記入できます。キャンパスは、経営分析プログラムが国立キャンパス(東京都国立市)、経営管理プログラムが千代田キャンパス(東京都千代田区一ツ橋)です。第2次は、経営分析プログラムが書類選考と口述試験(20分)、経営管理プログラムが口述試験(20分)です。
働きながら通うなら経営管理プログラム、腰を据えて2年間を使うなら経営分析プログラム——という分かれ方になります。経営分析プログラムは昼間に授業があるため、在職のまま通うことは現実的ではありません。
なお経営管理プログラムには、大学が公式に置いているサブプログラムとしてホスピタリティ・マネジメント・プログラムがあり、募集要項でも合格実績の表でも経営管理プログラムと一体で扱われています。このあと出てくる倍率が「合算値」なのは、そのためです。
同じプログラムでも、どの選考区分で出願するかで試験が変わります。筆記が課されない区分があります。
| 選考区分 | 対象 |
|---|---|
| 一般選考 | 広く一般(実務経験の年数要件なし) |
| 内部選考 | 一橋大学の学士課程に在籍し、翌年3月に卒業見込みの学生 |
| 特定大学 特別選考 | 東京外国語大学・お茶の水女子大学に在籍し、翌年3月に卒業見込みの学生 |
| 企業派遣 特別選考 | 入学時点で原則3年以上の実務経験があり、修了後に現在の勤務先へ復職予定の方 |
| 5年一貫 (履修資格者選考) | 一橋大学の学士課程3年生 |
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🔴 筆記があるのは一般選考だけです。一般選考の第1次は小論文または数学から1科目(90分)と英語外部試験のスコア、第2次が書類選考と口述試験(20分)。内部選考・特定大学特別選考・企業派遣特別選考は、第1次が書類選考、第2次が口述試験(20分)です。5年一貫は口述と書類選考で完結します。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」一般選考/内部選考・特定大学特別選考/企業派遣特別選考。5年一貫選考の詳細は別紙「5年一貫教育プログラム履修者選考要項」に案内があるとされ、ここでは募集要項の一覧表に記載された範囲のみを載せています(2026年9月2日確認)
内部選考と特定大学特別選考には、いずれも「累積GPA」と「指導教員の推薦」という条件が付きます。内部選考は3年次終了時点で累積GPAが全学平均以上かつ修得単位が原則100単位以上、特定大学特別選考は卒業見込み年度の前年度末時点で累積GPA3.0以上です。推薦をお願いする先生の都合があるため、出願直前に決めて動ける区分ではありません。
一般の社会人が受けるのは第1期と第2期の2回です。出願資格は同じで、実施の時期だけが違います。このほかに一橋大学の現職職員だけを対象とした「大学経営人材育成プログラム特別選考」がありますが、該当する方は限られます。
次の各号のいずれかに該当する者で、出願期間の開始日において 3 年以上の実務経験を有するもの。ただし、日本国籍を有しない者のうち日本国の永住許可を取得していないもの(以下、外国人)については、出願期間の開始日において、日本滞在が通算 4 年以上の者に限る。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項(経営管理プログラム)」募集要項PDF(2026年9月2日確認)
ここで見落としやすいのは「出願期間の開始日において」という部分です。入学時点ではありません。第1期の出願開始は2026年9月24日なので、その日に実務経験が3年に届いていなければ、第1期には出願できません。数か月足りない方は、第2期(出願開始2027年1月4日)を見ることになります。
一橋大学は、過去の小論文の問題冊子を大学公式サイトで公開しています。経営分析プログラム・経営管理プログラムとも2023年度から2026年度の4年度分が対象で、2025年度分については「出題の意図」という解説のPDFも一緒に公開されています。2022年度以前は現在は公開していないと明記されています。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科入学試験過去問題(経営学修士コース)。著作権者の許諾状況により非公開の年度・科目があり、その部分は国立キャンパス教務課での閲覧のみ(複写不可)と案内されています(2026年9月2日確認)
公開されている問題を年度ごとに見ていくと、両プログラムに共通する型がはっきり出ています。課題文が渡され、その中の下線部について「本文の内容に沿って」説明させる。字数は1問ごとに指定される。知っている用語を書き並べても点にならない作りです。
年度と期ごとに、扱われたテーマはこう移っています。
| いつの回 | 出た主題 |
|---|---|
| 2023年度 第1期 | 格差・移民・福祉国家 |
| 2023年度 第2期 | 所得格差と国際貿易 |
| 2024年度 第1期 | 貧困と開発経済学(リスクへの対処) |
| 2024年度 第2期 | 経済成長・中所得国の罠・イノベーション |
| 2025年度 第1期 | 社会的証拠と行動心理学(消費者行動) |
| 2025年度 第2期 | 無形資産・生産性・イノベーション |
| 2026年度 第1期 | 雇用とAIによる自動化・生産性 |
| 2026年度 第2期 | ヒューリスティクスと認知バイアス(意思決定) |
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大学が公開している小論文試験問題(2023〜2026年度・経営管理プログラム第1期/第2期)を主題ごとに整理したものです。出典: 入学試験過去問題(経営学修士コース)(2026年9月2日確認)
この表の読み方で大事なのは、縦に並ぶ「経営学」の用語が一つも無いことです。マーケティングでも会計でも組織論でもなく、格差・貿易・成長・生産性・行動科学——経済と社会の話が続いています。経営学の教科書を1冊覚えてから臨む試験ではありません。
形式のほうは、4年8回を通してほとんど動いていません。設問は毎回4つ、すべて論述。字数の指定は1問あたり80字から400字までで、4問を足すと900字から1,040字ほどになります。これを90分で書きます。さらに図やグラフを読み取らせる設問が、複数の年度で出ています。
時間から逆算すると、課題文を読む時間を差し引いて1分あたり15字前後を書き続ける計算です。考えながら書くと間に合いません。読み終えた時点で答えの骨格ができている必要があります。
経営分析プログラムの小論文には、もっとはっきりした偏りがあります。「そのデータから、本当にその結論を出してよいのか」を問う出題が続いています。
| 実施年度 | 問われた考え方 |
|---|---|
| 2023年度 | 移民と賃金。抽選という自然実験を使って因果関係をどう立証するか |
| 2024年度 | 取引費用理論(コースとウィリアムソン)。市場と企業の境界 |
| 2025年度 | 事実に基づいた経営。生存者バイアス・比較対象の欠如・ランダム化比較試験・回想バイアス |
| 2026年度 | シンプソンのパラドックス・逆の因果・潜伏因子と、因果を認定するための規準 |
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大学が公開している小論文試験問題(経営分析プログラム)を、扱われた考え方で整理したものです。2022年度分は現在は公開されていません。出典: 入学試験過去問題(経営学修士コース)(2026年9月2日確認)
公開されている4年のうち3年が、因果関係の読み方をめぐる出題です。相関を因果と取り違えていないか、比べている2つは比べてよいものか、成功した会社だけを集めて要因を探すと何がおかしくなるのか。これは統計学の計算問題ではなく、論の穴を見つけて言葉で指摘する問題です。
2024年度だけが取引費用理論という経営学寄りの出題でした。だから「因果推論だけやればよい」とは言えません。ただ、準備の重心をどこに置くかを決める材料にはなります。
もうひとつ、受験生にとって実用的な事実があります。一橋大学の問題冊子には、課題文をどの本から採ったかが明記されています。近年の課題文は、専門書ではなく一般向けに書かれた経済・統計の本から採られています。『絶望を希望に変える経済学』『事実に基づいた経営』『統計学の極意』といった、書店で手に入る本です。同じ水準の本を読み慣れておくことが、そのまま対策になります。
難しい文章を短時間で読み解いて、自分の言葉に置き換え直す。この往復を練習として積む方法は、上の動画で解説しています。
小論文は、書き方を知っているかどうかより、読み方が身についているかで差がつきます。一橋の出題の型に合わせて、いまの読み方のどこを直せばよいかを一緒に見ます。
相談は無料です。志望校が固まっていない段階でも大丈夫です。
上で挙げた考え方は、どれも特別な文献にしか無いものではありません。大学の学部で使われている標準的な教科書に、はっきり項目として載っています。該当するページを挙げます。
社会学入門(筒井淳也・前田泰樹/有斐閣)統計的因果推論・交絡要因p.143〜157所得格差の見方p.154
産業組織とビジネスの経済学(花薗誠/有斐閣)取引費用p.53
ゼミナール経営学入門(伊丹敬之・加護野忠男/日本経済新聞出版)企業の境界の引き直しp.133組織の意思決定p.253〜258
経営組織入門(文眞堂)意思決定(サイモン)p.36〜44
入門マクロ経済学(中谷巌ほか/日本評論社)全要素生産性p.274経済成長p.259
日本経済読本〔第23版〕(大守隆・増島稔/東洋経済新報社)比較優位と国際貿易p.147日本の所得格差p.201
ゼミナールマーケティング入門 第2版(日本経済新聞出版社)ヒューリスティクスp.212ページ番号は、各書籍に印刷されているページです(版が変わると動きます)。お手元の本の目次と索引でもご確認ください。
読む順番に迷ったら、経営分析プログラムを受けるなら『社会学入門』の第7章あたりから、経営管理プログラムを受けるなら『入門マクロ経済学』と『日本経済読本』から手を付けると、出題の重心に早く届きます。
一橋大学の経営学修士コースには、「研究計画書」という名前の書類はありません。代わりに次の2つを出します。両プログラムで形式も字数も同じです。
| 書類 | 書く内容 | 分量 |
|---|---|---|
| 職務・学習に関する経歴書 | これまで従事した職務と学習歴を具体的に記述する | 日本語で2,000字程度 |
| 将来計画書 | これまで行ってきたこと、本研究科で学びたいこと、その進め方・方法、修了後の計画など(「探求したいテーマ」の欄がある) | 日本語で2,000字程度 |
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出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」経営分析プログラム/経営管理プログラム(2026年9月2日確認)
合わせて4,000字です。この分量は、書く材料が足りているかどうかがそのまま出ます。職務経歴が長い方ほど「何を落とすか」で悩み、経歴の短い方は「何で埋めるか」で詰まります。
一橋大学の経営分析プログラムに合格した方は、動画のインタビューで「職務経歴がないので学習歴だけで同じ字数を書かなければならず、他の受験生より難しかった」という趣旨を話しています。そのうえで、経歴書と将来計画書を、志望するプログラムの軸に寄せて一本化したことが効いたと振り返っています。書けることを並べるのではなく、「この軸で読ませる」と決めてから選ぶということです。
将来計画書については、先行研究の読み込みを最優先にしたとも話しています。既存研究の解釈がずれていると、あとから根本的な書き直しになるためです。
もう一点、実務上とても効く話があります。2026年度に経営管理プログラムと東京都立大学へ併願して両方に合格した方は、先に出願時期の早い大学の書類を仕上げ、それを一橋へ作り替えたと話しています。一橋の経営管理プログラムは第1期の出願が9月下旬で、他大学より遅い時期にあたることがあります。併願する場合、早いほうを先に仕上げると、あとが楽になります。ただし本人は、2か月後に読み返すと論理の穴や分かりにくい言い回しが見つかり、そこを埋め直すのに苦労したとも述べています。そのまま使い回せるわけではありません。
募集要項では、第2次試験の口述試験は20分、経営分析プログラムでは「専門に関する事項その他について」、経営管理プログラムでは「将来計画に関する事項その他について」と示されています。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」経営分析プログラム/経営管理プログラム(2026年9月2日確認)
実際に受けた方の話からは、プログラムによって重心が違うことが見えてきます。
経営管理プログラム(夜間)に合格した方は、面接官は2名、時間はおよそ15分、自己紹介のあとは研究計画が前提にしている「理論」への質問が続いたと話しています。あわせて、自分が働いている業界の特性についても問われたそうです。この方が併願した大学では、研究計画書の中身だけを10分ほど聞かれ、志望理由や職務経験はほとんど聞かれなかったとのことで、同じ「面接」でも聞かれる場所がまるで違います。
一方、経営分析プログラム(昼間)に学部から進んだ方は、研究計画そのものより、自分自身について多く問われたと話しています。入学後にどんな強みを生かして活躍できるのか、それは他の受験生と何が違うのかを厳しく問われ、さらに「なぜ就職ではなく一橋なのか」「修了後にどうなりたいか」「もし不合格だったらどうするか」「これまでで一番つらかったことは何か」「他人から見たあなたの強みと弱みは何か」まで及んだそうです。
研究計画を説明できるだけでは足りない、ということです。とくに職務経験の短い方は、「同じような経歴の人と、自分はどこが違うのか」を先に言葉にしておく必要があります。
一橋大学が公表している合格実績は、出願者数・合格者数・倍率の3つだけです。受験者数は公表されていません。つまりここでいう倍率は、当日欠席した人も分母に含んだ志願倍率です。実際に受けた人だけで計算すれば、数字はこれより下がります。
| 入学年度 | 出願者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 96人 | 43人 | 2.2倍 |
| 2025年度 | 116人 | 51人 | 2.3倍 |
| 2024年度 | 142人 | 52人 | 2.7倍 |
| 2023年度 | 140人 | 53人 | 2.6倍 |
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| 入学年度 | 出願者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 408人 | 67人 | 6.1倍 |
| 2025年度 | 338人 | 63人 | 5.4倍 |
| 2024年度 | 363人 | 65人 | 5.6倍 |
| 2023年度 | 358人 | 67人 | 5.3倍 |
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出典: 一橋大学大学院経営管理研究科入試結果(2026年9月2日確認)。経営管理プログラムの数字は、大学の表記どおりホスピタリティ・マネジメント・プログラムを含む合算値です。大学は経営管理プログラム単体の数字を公表していません。
4年間の並びを見ると、経営分析プログラムは出願者が140人台から96人へ、募集人員40名に対して合格43人。募集人員より多く合格を出しています。一方で経営管理プログラムは出願者が400人を超え、倍率が6倍台に上がりました。
この差をどう読むかの前に、募集要項に書かれている事実を並べます。経営管理プログラムは平日夜間と土曜日の開講で、出願資格に実務経験3年以上があります。経営分析プログラムは昼間の開講で、一般選考に実務経験の年数要件はありません。倍率の差は、この開講時間帯と出願資格の違いによって、そもそも受けられる人の層が違うことの表れとみられます。大学がこの差について説明を出しているわけではありません。
いずれにせよ「2.2倍のほうが簡単」とは言えません。比べている母集団が違うからです。ただし企業派遣として送り出してもらえる立場にある方や、いったん仕事を離れて2年間を使える方にとっては、経営分析プログラムが現実的な選択肢になるということは言えます。
経営管理プログラムは年2回受けられます。第1期で不合格でも、第2期に再出願する道があります。
| 入試 | 出願期間 | 最終合格 |
|---|---|---|
| 経営分析 一般選考 | 2026年 7/6〜7/10 | 2026年 9月17日 |
| 経営管理 第1期 | 2026年 9/24〜9/30 | 2026年 11月16日 |
| 経営管理 第2期 | 2027年 1/4〜1/8 | 2027年 2月18日 |
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途中の日程は次のとおりです。経営分析(一般選考)は第1次試験2026年8月23日(予備日8月30日)、第1次合格発表9月3日、第2次の口述試験9月13日。経営管理(第1期)は第1次試験2026年10月18日(予備日10月25日)、第1次合格発表11月2日、口述試験11月8日。経営管理(第2期)は第1次試験2027年1月31日(予備日2月7日)、第1次合格発表2月10日、口述試験2月14日です。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」経営分析プログラム/経営管理プログラム(2026年9月2日確認)。合格発表はいずれも当日14時以降です。2028年度入学分の募集要項は、この確認時点では公表されていません。出願前には必ず最新の募集要項をご確認ください。
経営分析プログラムの一般選考は英語外部試験のスコア提出が必須で、出願期間の開始日から遡って2年以内に受験したものだけが有効です。出願は2026年7月6日から。スコアが無ければ出願そのものができません。受験を決めてから申し込んだのでは、結果が間に合わないことがあります。
A)TOEFL iBT®、B)TOEIC® Listening & Reading Test、C) IELTSTMのいずれかのスコアにより英語能力を判定する(提出必須。出願期間の開始日より遡って2年以内に受験したものに限り有効)。
出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項(経営分析プログラム)」募集要項PDF(2026年9月2日確認)。合格の基準点は示されておらず、「英語能力を判定する」とだけ記載されています。
2026年度入試から、経営分析プログラムでは学内で実施していた英語の筆記試験が廃止され、外部試験のスコア提出に一本化されました。対策の中身が「英語の試験勉強」から「スコアを確保する段取り」へ変わったということです。
| 項目 | 金額(両プログラム共通) |
|---|---|
| 検定料 | 30,000円 |
| 入学金 | 282,000円 |
| 授業料(年額) | 642,960円 |
| 2年間の総額 | 1,567,920円 |
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出典: 一橋大学大学院経営管理研究科「2027年度学生募集要項」経営分析プログラム/経営管理プログラム(2026年9月2日確認)。募集要項には「上記納入金額は改定される場合があります」との但し書きがあります。
ここは桁を間違えやすいところです。厚生労働大臣が指定した教育訓練講座の検索システムで一橋大学を引くと、経営分析プログラムと経営管理プログラムはどちらも区分が「一般」、訓練期間24か月、訓練経費924,960円として載っています。
| 一橋大学大学院の課程 | 教育訓練給付の区分 |
|---|---|
| 経営管理研究科 経営分析プログラム | 一般 |
| 経営管理研究科 経営管理プログラム | 一般 |
| 経営管理研究科 金融戦略・経営財務プログラム | 専門実践 |
| 経営管理研究科 国際企業戦略専攻(1年・2年) | 専門実践 |
| 国際・公共政策教育部/法学研究科 ビジネスロー | 専門実践 |
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出典: 厚生労働省厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム(「一橋大学」で検索)(2026年9月2日確認)
この「一般」と「専門実践」の違いが、そのまま金額の違いになります。
| 区分 | 受け取れる額 |
|---|---|
| 一般教育訓練 (経営分析・経営管理はこちら) | 受講費用の20%、上限10万円。修了後に支給されます |
| 専門実践教育訓練 | 基本は50%(年間の上限40万円)。修了後1年以内に雇用された場合などは最大70%(年間56万円)、賃金が上がった場合は最大80%(年間64万円) |
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出典: 厚生労働省教育訓練給付制度(2026年9月2日確認)。最大70%・80%の給付は令和6年10月以降に開講した講座が対象です。
数字を当てはめると、こうなります。訓練経費924,960円の20%はおよそ18万円ですが、一般教育訓練の上限は10万円なので、受け取れるのは10万円です。経営管理プログラムの公式ページに「最大100,000円」と書かれているのはこのためです。
つまり「一橋のMBAは給付金が出る」とだけ覚えて資金計画を立てると、見込みが大きくずれます。同じ経営管理研究科でも、金融戦略・経営財務プログラムや国際企業戦略専攻は専門実践の指定です。大学名ではなく、課程の名前まで見て確かめてください。
給付を受けられるかどうかは、雇用保険の被保険者期間などの要件で決まります。手続きはハローワークで行います。ご自身が対象になるかは、必ずハローワークでご確認ください。
選んだ理由として繰り返し出てくるのは学費です。経営分析プログラムに進んだ方は、国立であることで私立のMBAより費用を抑えられる点をまず見たと話しています。経営管理プログラムに合格した方も、勤務先からの近さと学費の安さで国公立2校に絞ったと述べています。
学費の次に挙がるのが教育の中身です。学部で経営学を学んでいた方は、理論だけでもケースだけでもなく、両方を往復させることを重く見ている点に一橋の特徴を感じたと話しています。
働きながら通う側の視点では、勤務先から近いかどうかが効きます。MBAが始まると授業とレポートが仕事に上乗せされ、そこへ通学時間が加わります。経営管理プログラムのキャンパスが千代田区一ツ橋にあることは、都心で働く方にとっては現実的な条件です。
逆算すると、着手の順番はほぼ決まります。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 出願の1年前〜 | 経営分析プログラムを受けるなら英語外部試験のスコア確保。出願期間の開始日から遡って2年以内のものしか使えません |
| 出願の6か月前〜 | 将来計画書のもとになる先行研究の読み込み。解釈がずれていると、あとから全部書き直しになります |
| 出願の3か月前〜 | 2,000字の書面を2つ書き始める。書いてから寝かせて読み返す時間まで含めて確保します |
| 出願の2〜3か月前〜 | 小論文。公開されている問題で、90分で書き切る練習を時間どおりに行う |
| 第1次試験の直後 | 経営管理プログラムでは、第1次合格発表と同じページで口述試験の時間が案内されます。発表から口述まで1週間ほどしかありません |
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この順番で一番動かせないのが英語のスコアです。書類と小論文は自分の努力量で前倒しできますが、試験日と結果が出る日は自分では動かせません。
Q. 一橋大学のMBAは、働きながら通えますか。
A. 経営管理プログラムは平日夜間と土曜日の開講なので、働きながら通うことを前提にした課程です。キャンパスは千代田区一ツ橋にあります。一方で経営分析プログラムは昼間に授業があり、国立キャンパスです。在職のまま通うことは現実的ではありません。
Q. 実務経験がないと出願できませんか。
A. プログラムによって違います。経営管理プログラムは「出願期間の開始日において3年以上の実務経験」が条件です。経営分析プログラムの一般選考には実務経験の年数要件がなく、学士号を持っている(または卒業見込みの)方であれば出願できます。
Q. 倍率はどのくらいですか。
A. 2026年度入学では、経営分析プログラムが出願96人・合格43人で2.2倍、経営管理プログラムが出願408人・合格67人で6.1倍でした。ただし大学は受験者数を公表していないため、これは出願者を分母にした志願倍率です。経営管理プログラムの数字はホスピタリティ・マネジメント・プログラムを含む合算値です。
Q. 小論文では経営学の知識が問われますか。
A. 公開されている問題を見るかぎり、経営学の用語を答えさせる出題ではありません。課題文を読んで、下線部について本文に沿って説明させる形が中心です。経営管理プログラムでは経済や社会に関する主題、経営分析プログラムでは因果関係の読み方をめぐる主題が多く扱われています。
Q. 過去問はどこで手に入りますか。
A. 大学公式サイトで、2023年度から2026年度の小論文試験問題が公開されています。2025年度分には「出題の意図」の解説も付いています。著作権者の許諾状況により非公開の年度・科目があり、その部分は国立キャンパス教務課での閲覧のみ(複写不可)と案内されています。
Q. 英語の試験はありますか。
A. 経営分析プログラムでは、2026年度入試から学内での英語筆記試験が廃止され、TOEFL iBT・TOEIC Listening & Reading・IELTSのいずれかのスコア提出に一本化されました。出願期間の開始日から遡って2年以内に受験したものだけが有効です。経営管理プログラムではスコアの提出は必須ではなく、任意で記入できます。
Q. 研究計画書は何字くらい書きますか。
A. 一橋大学の経営学修士コースには「研究計画書」という名前の書類はありません。「職務・学習に関する経歴書」と「将来計画書」の2つを、それぞれ日本語2,000字程度で提出します。両プログラムで同じ形式です。
Q. 学費はいくらかかりますか。
A. 入学金282,000円と授業料642,960円(年額)で、2年間の総額はおよそ1,567,920円です。ほかに検定料30,000円がかかります。教育訓練給付は、経営分析・経営管理とも区分が「一般」で、給付は受講費用の20%・上限10万円です。同じ経営管理研究科でも、金融戦略・経営財務プログラムなどは「専門実践」の指定です。
一橋の入試は、当日の出来だけで決まる試験ではありません。英語のスコア、4,000字の書面、90分の小論文、20分の口述。それぞれ準備の始めどきが違い、着手が遅れた項目から順に選択肢が減っていきます。
いまの職務経験から、一橋の将来計画書に何を書けるのか。どちらのプログラムを狙うのか。締切から逆算した進め方を、無料で一緒に組み立てます。
相談は無料です。志望校が固まっていない段階でも大丈夫です。
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この記事について
この記事は、国内MBA対策に特化した予備校・塾のMBAサクセスコーチングが作成しています。同サービスは、経営学者の中川功一氏(やさしいビジネススクール学長/東京大学 経済学博士)が監修しています。
専門は経営戦略論・イノベーションマネジメント、国際経営。「アカデミーの力を社会に」をライフワークに、YouTube・研修・講演・著作などを通じて経営知識の普及に取り組んでいます。
記事の数字は、大学が公表している資料をもとに、出典と確認日を付けて記載しています。