
最終更新: 2026年9月3日
この記事で分かること
この記事はMBA・経営系の大学院に通うときの教育訓練給付金の話です。資格スクールや看護・介護の講座とは、対象になる講座も金額も違います。
先にいちばん大事なことを書きます。「◯◯大学は給付の対象か」という調べ方では、答えが出ません。指定は大学ではなく、講座ごとに受けるものだからです。18校を1講座ずつ確かめたところ、6校で、同じ大学の中で区分が分かれていました。
講座が対象でも、受け取れるかどうかは、あなたの雇用保険の入り方で決まります。ここが最初の関門です。
| 区分 | 必要な支給要件期間 |
|---|---|
| 専門実践 | 3年以上(初めて受給する場合は2年以上) |
| 一般 | 3年以上(初めて受給する場合は1年以上) |
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離職した方には、これに加えて条件が付きます。離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることです。必要な年数は在職中の方と同じです。
出典: 厚生労働省Q&A〜専門実践教育訓練給付金〜/Q&A〜一般教育訓練給付金〜(2026年9月3日確認)。支給要件期間とは、受講開始日までの間に同一の事業主に被保険者として雇用された期間のことです。妊娠・出産・育児・疾病・負傷などで適用対象期間が延長された場合は、離職からの期間が最大20年以内になります。
もう1つ、見落としやすい条件があります。前に教育訓練給付金を受け取ったことがある方は、前回の支給日から今回の受講開始日の前日までに3年以上あいている必要があります。区分にかかわらず同じです。
ご自身が当てはまるかどうかは、ハローワークで確認できます。受講を申し込む前に確かめておくのが安全です。
| 区分 | 戻る割合と上限 |
|---|---|
| 専門実践 教育訓練 | 受講費用の50%(年間上限40万円) 資格を取って修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されると70%(年間上限56万円)、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がると80%(年間上限64万円) |
| 特定一般 教育訓練 | 受講費用の40%(上限20万円) 上の雇用の条件を満たすと50%(上限25万円) |
| 一般 教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円) |
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出典: 厚生労働省教育訓練給付金(2026年9月3日確認)。制度は変わります。この記事の金額は上の確認日時点のものです。
専門実践か一般かで、桁が変わります。一般は上限10万円ですが、専門実践は年間40万円が上限なので、2年通えば80万円まで届きます。だからこそ、自分の講座がどちらなのかを確かめる意味があります。
金額そのものも講座ごとです。慶應義塾大学の経営管理研究科では、MBAプログラムが4,440,000円、Executive MBAが7,140,000円として登録されていました。同じ研究科でも、選ぶプログラムで計算のもとになる額が変わります。
出典: 厚生労働省厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システムの全件表示で確認(2026年9月3日確認)
専門実践の上限は「年間」40万円です。つまり1年で修了する講座は、2年の講座より上限が小さくなります。
法政が分かりやすい例です。1年制と2年制で、学費の総額が同じ2,584,000円でした。それでも給付は在学した期間に応じて出ます。「早く終わるほうが得」とは限りません。
1年で修了する講座は、ほかにもグロービス経営院・一橋・名古屋商科・早稲田にあります。
出典: 厚生労働省厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム、学費は各大学の2027年度募集要項(2026年9月3日確認)
18校を1講座ずつ確かめたところ、同じ大学の中で区分が分かれていたのが6校ありました。
| 大学 | 分かれ方 |
|---|---|
| 一橋 | 同じ経営管理研究科の中で分かれます。経営管理プログラム(MBA本体)と経営分析プログラムは一般、金融戦略・経営財務プログラムと国際企業戦略専攻は専門実践 |
| 慶應 | 経営管理研究科は専門実践、商学研究科は一般です。同じ経営管理研究科の中でも、MBAプログラムとExecutive MBAで登録された金額が違います |
| グロービス | 通常の2年課程と1年のFull-timeは専門実践、長期履修コースだけ一般です |
| 筑波 | 経営学学位プログラムは一般、国際経営プロフェッショナル専攻(MBA-IB)は専門実践 |
| 青山学院 | イブニングコースだけ専門実践。デイタイムコースは検索しても出てきません |
| 関西学院 | 企業経営戦略コースと中小企業診断士養成プログラムは専門実践、国際経営コースは出てきません |
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出典: 厚生労働省厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システムを1講座ずつ確認(2026年9月3日確認)。大学名で調べても、この違いは出てきません。講座の名前で確かめてください。
大阪の経済学研究科(MBA)・関西学院の国際経営コースは、検索システムに出てきませんでした。
「国立だから」「有名だから」で判断すると外します。大阪大学は、ほかの研究科(医学系・工学・高度司法)には16講座の登録があるのに、経済学研究科には1件もありません。
出典: 厚生労働省検索システム(2026年9月3日確認)。ここに書いたのは「確認した時点で見当たらなかった」という事実で、将来にわたって指定されないという意味ではありません。なお京都大学のInternational MBA(i-MBA)は、その名前の講座を確認できませんでした。別の名前で登録されている可能性があるため、「指定なし」とは書きません。
給付の計算に使われるのは「訓練経費」として登録された金額です。大学が公表する学費の総額とは一致しないことがあります。
| 大学 | 差の正体 |
|---|---|
| 立教 | 学費との差247,000円は、在籍料と互助組合費。1円まで説明がつきます |
| 関西学院 | 学費との差450,000円は、教育充実費の2年分とちょうど同じ額です |
| 東京都立 | 登録額は入学金と初年度の授業料だけ。募集要項にも「対象経費は入学金及び初年度の授業料」と書かれています |
| 同志社 | 学費との差は約454,000円ありますが、内訳を特定できませんでした |
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出典: 厚生労働省検索システムと各大学の2027年度募集要項(2026年9月3日確認)
つまり「学費の50%が戻る」ではありません。登録された訓練経費の50%で、しかも年間の上限がかかります。入学金や授業料以外の費目は、対象から外れていることがあります。
指定の有無は、厚生労働省の厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システムで誰でも調べられます。ただし、そのまま使うと見落とします。実際に確かめたときに引っかかったところを書いておきます。
この記事の指定状況は、上の検索システムで1講座ずつ確認したものです(2026年9月3日確認)。指定は年度ごとに更新されます。出願を決める前に、ご自身で最新の状態をご確認ください。
Q. 誰でももらえますか。
A. いいえ。雇用保険の支給要件期間が必要です。専門実践教育訓練は3年以上(初めて受給する場合は2年以上)、一般教育訓練は3年以上(初めての場合は1年以上)です。離職した方は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることも必要です。ご自身が当てはまるかはハローワークでご確認ください。
Q. いくら戻りますか。
A. 区分によります。専門実践教育訓練は受講費用の50%で年間上限40万円、一般教育訓練は20%で上限10万円です。ただし計算のもとになるのは、厚生労働省に登録された「訓練経費」で、大学が公表する学費の総額とは一致しないことがあります。
Q. 自分の志望校は対象ですか。
A. 大学名では答えが出ません。指定は講座ごとに受けるものだからです。この記事で調べた18校のうち6校は、同じ大学の中で区分が分かれていました。一橋大学は同じ経営管理研究科の中で一般と専門実践に分かれ、青山学院大学はイブニングコースだけが指定を受けています。研究科・専攻の正式名称で検索してください。
Q. 1年で修了できる講座のほうが得ですか。
A. 給付という面では、そうとは限りません。専門実践教育訓練の上限は「年間」40万円なので、1年の講座は2年の講座より受け取れる上限が小さくなります。法政大学は1年制と2年制で学費の総額が同じですが、給付は在学期間に応じて出ます。
Q. 前にも教育訓練給付金を使いました。また使えますか。
A. 前回の支給日から今回の受講開始日の前日までに3年以上あいていれば使えます。あいていない場合は対象になりません。区分にかかわらず同じ条件です。
Q. 厚生労働省のサイトで調べたら出てきませんでした。指定なしですか。
A. 断定はできません。学校名で引くと最初は3件しか表示されず、「該当講座一覧へ(全◯件)」を押さないと残りが出ないためです。また講座名が大学の通称と違うこともあります。全件を表示したうえで出てこなければ、大学かハローワークにご確認ください。
Q. 申請はどこでしますか。
A. ハローワークです。受講の前に手続きが必要な場合があるので、申し込む前に一度相談しておくと安全です。必要な書類や期限は個別の事情で変わるため、必ずご自身でご確認ください。
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この記事について
この記事は、国内MBA対策に特化した予備校・塾のMBAサクセスコーチングが作成しています。同サービスは、経営学者の中川功一氏(やさしいビジネススクール学長/東京大学 経済学博士)が監修しています。
専門は経営戦略論・イノベーションマネジメント、国際経営。「アカデミーの力を社会に」をライフワークに、YouTube・研修・講演・著作などを通じて経営知識の普及に取り組んでいます。
記事の数字は、大学が公表している資料をもとに、出典と確認日を付けて記載しています。